29番の木

途中で、膨らんで、ヤバい思たら細なるし、変なとこから、変な風に枝出るし、ちっとも思った形ならんわ。
隣の杉君は真直ぐやのに。
今日かって、体に変な芋虫付きよるし、変な鳥はずっと鳴いとるし、
変な奴が自転車括り付けよるし、犬はオシッコしよるし、なんやねん。
あー、動き回りたいわ。
こないだ、隣の杉君にそういうたら、
「それは違う」言われたけど、僕ずっと動きたいねん。
ちゃうとこ行きたいねん。
そしたら、こないだ、トラック乗ったおっさんが、杉君を根っこから抜いて、トラックの荷台に積んで行ってん。
杉君、僕には、「痛い痛い」言うてたけど、トラック走り出したら、ちょっと笑ててん。
僕、ホンマに泣きたなった。
そしたら、市役所のオッサンがきて、僕に変な札付けて行ってん。
僕、とうとう札付きの悪になったんか、思ってがっかりした。
そのせいで、変なネズミに「29番みっけ」言われたわ。
そいつ、1番札付きの木の子分にやねんて。
「紹介したろか」言われたけど、
僕は子分とかはイヤやわ。
そんで、ときどき、杉君は元気かなって思うねん。

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今回は、「きのこと」ってタイトルで、木の絵をいっぱい描いてます。
んでから、一部ブログにも載せてますが、木の変な文章をぽこぽこ作ってます。
あ、変な木彫りの人形も作ってます。
遊びに来てくれると、うれしいです。