「8個目のぼっち」

「8個目のぼっち」
フォワフォワンと空を分けながら、振り子が揺れている。
残像を残しながら、銀の点は、右へ左へ、左へ右へ。
振り子の糸を摘んでみる。
ビックリしたかのように揺れ、クルクル回るとやがて動きを止めた。
動きの止まった丸い玉は、二つに割れて、中からボタンが7つ出てきた。
ボタンを1つ取り、玉を閉じて、玉を前に弾いた。
振り子は、フォワフォワンと波のように寄せて返しを続けた。
僕は、週末にボタンをシャツの袖に縫い付けた。
しばらく後に聞いた話だと、ある女が残りのボタンを木の根元に、振り子と一緒に埋めたということだ。