「4個目のぼっち」

「4個目のぼっち」
やたらに天気の良い日は、気をつけた方が良い。
出来るだけ浮かれないようにしようと思いながら、玄関の鍵をかけた。
歩道橋の階段を下り、ススキの穂が波打つ景色を思い浮かべながら、雑踏をやり過ごそうとしたら、不意に後ろから肩を叩かれた。
振り返ると、「久しぶり。」やたらに背の高い男の人がいた。
その人は、ススキ野原に立っていた。
2年前に、そういう景色の中に赤いカラスウリの実を持って立っていた。
胸に危険信号のぼっちが赤く灯った。