《2個目のぼっち》

「2個目のぼっち」
それに気づいたのは、2日後(日曜)のことだ。
延髄から頭頂部にかけての真ん中辺りに、1個目よりも少し大きい[ぼっち]が出来ていた。
1個目に比べて柔らかいそれは、魚の目の花が咲いているようだった。
言葉はきれいだが、触感は相当ひどい。
何とかして、2つの鏡を合わせ見ようとしたが見えない。
仕方がないので、兄に「ここなんか、ぼっちあるねん。」と見せてみたところ、「あぁ、なんかイボちゃうか。」と言う。
付け加えて兄は、「うーん、あんまり触りなや。」と言う。
しかし、触りたくないのだが、気がつくとグリグリ指先で撫でている。
2週間後に、カサブタのように固くなり、爪で引っ掛けたらプチっと取れた。
右手の人差し指の爪の先に、黒い砂粒のようなのが挟まっている。
あれ?思ってたより小さいぞ。
取れた後の頭の方は、針の先ほどの穴が開いてしまい、少し風が通るようになった。