片岡球子

103歳まで生きれば大往生だと思う。
「面構(つらがまえ)」・「富士山」を見てみると、片岡球子日本画家だなって思う。
日本画というものに真っ向から立ち向かっている。

 ある日本画作家が「洋画と日本画の違いは、メディウムの違いで、油か膠かの違いでしかない」と、TVで平然と言い放ってるのを見たことがある。
顔料を膠で溶いて、絵を描いてるだけなのに、「日本画の絵の具で描いてるから、日本画だ」なんて物言いは、ちゃんちゃらオカシイ。
大学の卒展や団体展の日本画コーナーを見に行くと、そんな絵のオンパレードだ。なぜ、サイの尻やダチョウの振り返ってるとこや、ゴッツイ裸婦を描くのだろう・・・。意味が分からなくて呆然とする。
 
 日本画というのは、決して画材技法だけのことではないと思う。
片岡球子の訃報を聞いて、日本画とは何だろうと改めて考えようと思った。