『黒男』-4

僕は夢の中でとても悲しくなったよ。そしたら、君が「大丈夫よ、白い線を引けるじゃない」って言いながら、君は僕の手を肩から抜いて、窓の外に放り投げたんだ。僕の手にはインディアンの娘の髪の毛が絡まってたよ。僕の手は、自動車の後ろのナンバーの所にしっかりと捕まったんだ。その抜けた肩口の方から、白い粉が出てスーと線を引いていた。車は海沿いの線路を走ってた。君もインディアンの娘もH君も窓から手を出した。全員の指から白い線が出ていたよ。太陽が、海の中にヂュッってすごい音を立てて、堕ちちゃったんだ。海は飴の入った鍋みたいに沸騰しちゃって、ものすごい泡が出てたよ。そしたら、直ぐに夜になってね、でも、ズーと白い線は残ってたよ。