『黒男』-3

『月曜の朝には、皆がいたのだけれど、お昼過ぎに、神様が町にお出かけになった。夕方を過ぎても、神様は帰ってこない。町の人が神様を食べてしまった。火曜の朝に、お父さんが「神様を連れて戻るよ」と町に出かけた。「神様は食べられたからもういないよ」とおばあさんが骨をかじりながら言った。でも、お父さんは、町に溢れていた違う神様達に魅せられて帰ってこない。水曜の朝に、お兄さんが「お父さんと神様を連れて戻るよ」と町に出かけた。お兄さんは、町に魅せられて帰ってこない。木曜日の朝には、弟が「お父さんと神様とお兄さんを連れて戻るよ」と町に出かけた。弟は、町の外れで虎の餌になって帰ってこない。金曜の朝には、お母さんが「男達を連れて戻るよ」と町に出かけた。お母さんは、町で知らない男の嫁になって帰ってこない。土曜の朝には、「私が皆を連れて戻るよ」と町に出かけた。私は、町へ行く道を間違えて未だ辿り着けない。日曜の朝には、家には誰も居なかった。そして日曜の夜は、暗闇になって黒い男が家に来た。月曜日の朝に、黒い男は薪を集めにいったよ。』
 って歌だったよ。