鬼に訊く

 先日、映画「鬼に訊け 宮大工 西岡常一の遺言」を見に川崎アートセンターへ。
西岡さんは、お寺を「神さんの家」って普通に言うてはったけど、確実に「永遠に続くもの」を作る覚悟と言うか気合いというか何というか、もちろん、その為のタダならぬ仕組みもある。それを「思いきって」やるのだそうだ。1000年の巨木の檜の木を部材にするのだけど「檜は神さんですわ」と言われていた。映画の中で、宮大工さんが仕事してはるのだけど、槍鉋(やりがんな)をかける姿とか、檜の部材をパズルみたいに正しい位置に組んでいくその姿がたまらなく美しくって泣きそうになった。
小中学校の時の遠足は、地元(大阪柏原市)の山をはさんで向こう側の奈良にいつもいつも連れて行かれた。法隆寺薬師寺にも行ったことはある。でも、山のこっち側でも今の物と遺跡が普通に隣り合ってた所で育ったせいか、幼かったからなのか、それが特別なものだってのは、薄ボンヤリとしか分からなかった。ただ、法隆寺に行った時に「ん?この建てもんって、触ってもええんかな?」って思ったのは覚えている。来年の正月に実家に帰った時にでも、法隆寺薬師寺を改めて確かめに行こうと思う。

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 そうそう、少し前に仙川に、「水たまりの下で 吉川陽一郎展」を見に行った。
この方は本当に変な人だ。
吉川さんの作品の前に立つと、「あぁ、《こういうこと》を確かめたんだろうな」と思う。《こういうこと》自体はうまく説明出来ないのだけど、そう思う。
見てる人が《こういうこと》を確かめれるように作られた作品は、とても清々しい。

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 最近、学校も終わり、せっかく間が空いたのでやりたかった家のことをやっている。家の中を快適にするのは楽しい。庭も片付けたのでミニ畑を作ろうとしている。1週間前に蒔いたバジルやシソやゴーヤの種から白い根っこが出てこようとしているのを観察したりしている。ちいこい種が健気で面白い。更に空いた間で、貰ったオーブンでパンを焼いたり、ちまちま生活小物も作ったり。
「おちょこ針山」

そして、せっかくなので、小さい絵でも描こうと思ってたら、やりかけのデカイ絵に手をつけてしまった。