『黒男』-7

ゆっくりと闇が動きます、黒男が闇から生まれて、彼らは白い線を引きながら、過去や未来の時間とグルグルグルグル攪拌されました、上に参ります、下に参ります、どこまでも舞いましょう、千年万年百万年、何処のの騎士は一億年、嵐の晩には髪を切ります、だってそうでしょう、お通しが切干大根だなんてあんまりにも現実的すぎるわ、あいつは行っちまったのさ、ニコラテスラは無視されて、彼は庭先で豚を丸焼きにしながら、未だジェームズ・ディーンに憧れるのか? くうくうたらたらくたらたら、立てば石楠花、座れば牡丹、歩く姿は百合の花、銭湯で眼鏡を外す君は八頭身だ、ひらひらと幟のようにはためき、トンビがくるりと輪を描いた、上空には寒気、冷蔵庫の中にはドジョウ、グルグル撒きにしすぎです、溜息をついた、電車に乗ったし、バスにも乗った、誰それ、見つけたか、羅紗面が黒い線を引く、黒男が白い線を引く、



  黒男、池宮 中夫さんに。
  平成18年5月