《うた》

《うた》
「掻い摘んで説明するとね」とまさみは窓から手を引っ込め、膝を叩いて拍子を取って歌い始めた。
『小さいお豆が膨らんで♪バンとスットン飛び散って♪雨がテンテン落ちてきて♪大波小波波打って♪皺くちゃくちゃくちゃ丸まって♪あ♪丸まって♪あ♪丸まって♪ギュギュッギュギュ♪あ♪丸まって♪ザアザア縦線昇ってく♪スイスイ横線泳ぎます♪点もウロウロお散歩中♪ポンポンポンポンポンポコポン♪鼓を鳴らして踊ります♪ピヒャラピーヒャラ囃します♪お蚕飼った♪鹿打った♪天に向かって矢を放つ♪雷落ちた♪穴開けた♪底から火の子が生えてきた♪水をやって育てましょ♪あ♪育てましょ♪あ♪育てましょ♪火柱たった天までとどけ♪皆で輪になり踊ります♪グルグルグルグル♪グルグルグルグルグルグルグルグル♪』
楽しそうに歌い終えたまさみはS子に「という訳。分かった?」と聞いた。「えーと、絵描き歌かなんか?」とS子は答えた。「そうそう、今のは1番で、ホントは50番まであるんだけどね。んじゃ、2番歌うね。」
十二単のお姫さま♪赤い腰巻♪橙襦袢♪黄色の単♪緑の単♪・・・』