甑島10

まわりの海は、常に波打っている。
連続して動く波は、果てしなく広がる。
私は、波紋を数えたいと思った。


私の生まれた場所は、海から離れていた。
海はフィクションの舞台だった。
フェリーに乗って、甑島に来たとき、海に囲まれてしまった。
ノンフィクションなのか、フィクションなのか、
私は、小屋を海で囲んでみた。