≪遠くから、遠くまで≫

≪遠くから、遠くまで≫

ヤバイと思った瞬間、周りから消えてなくなったS子は、気付くと一人で滝の前に居ました。全身がにニュルとした不透明な膜で覆われていたので、ジンジンと冷たい滝の水で身体を洗い流し、大きな青白い岩の上に寝転がりました。太陽の光は橙色、山の緑色の弾けて行く音や光の粒は、S子をゆっくりと確実に暖めていきました。
君と遠くまで歩いていこう。足元を確かにしてからサンドイッチを作ろう。