《羽田のジジョウ》

《羽田のジジョウ》
 羽田が生まれる10ヶ月ちょっと前の湿気を帯びた夜に、マリ子(羽田の母)は妙な夢を見た。身体の熱が抜けなくて寝苦しい。「アカンわ、寝られへん、一回シャワーでも浴びよ」と寝るのを諦めて目を開けた。そしたら、天井に2人の女の子の顔がある。瞬間的に目を閉じた。・・・夢やんね?でも、女の子達のヒソヒソと相談している声が聞こえる。「この人でいいやん」「うん、頼もうか」「あの、すいません。怪しいもんです。寝たふりしないで、目開けてください」「あの、怪しいもんです。お願いがあるんですけど・・・」
そう、はっきりと言われると恐怖より興味が勝ってしまった。マリ子はゆっくりと目を開けて天井の2人に向かって「なんですか?」と聞いた。2人は笑っていた